脊柱管狭窄症と歩行時の症状|歩ける距離を伸ばすための考え方
脊柱管狭窄症で歩くとつらくなる理由、歩行時の症状の特徴、歩かないことで起こる悪循環、休みながら歩く方法、杖・カート・自転車の活用、腰を反らせない身体づくりまで、足立区扇の清水接骨院の院長(柔道整復師)が解説します。
監修:清水接骨院 院長 清水 正尊(柔道整復師)

この記事の要点
- 歩行時に腰が反ることで脊柱管が狭くなり、脚の痛み・しびれが出て歩けなくなる
- 歩かないと筋力が落ちてさらに歩けなくなるため、休みながらでも歩く総量を保つことが大切
- 股関節の前側と背中の柔軟性を保ち、腰を反らせずに歩ける身体を整えることが症状軽減につながる
歩くとつらくなる理由
脊柱管狭窄症の方の多くが、「歩き始めは大丈夫でも、しばらく歩くと脚が痛くなったりしびれたりして、立ち止まらざるを得ない」と話されます。なぜ「歩く」と症状が出るのでしょうか。
歩くとき、脚を後ろに振り出す動作で腰は自然に反ります。脊柱管は腰を反らすと狭くなるため、一歩ごとに神経への圧迫が繰り返され、次第に脚の症状が強くなります。前かがみになって休むと脊柱管が広がり、神経の圧迫がゆるんで、また歩けるようになるのです。
歩行時の症状の特徴
- 歩いていると、お尻・太もも・ふくらはぎに痛み、しびれ、重だるさが出る
- 前かがみで休むと数分で楽になり、また歩ける(間欠性跛行)
- 続けて歩ける距離が徐々に短くなってくる
- 下り坂や、腰を反らせる姿勢(上を向く、高い所の物を取る)でつらい
- 自転車、カートを押しての歩行、階段の上りは比較的楽なことが多い
「立ち止まるだけで楽になる」「脚が冷たい」といった場合は、血管の病気による跛行の可能性もあるため、医療機関での確認が必要です。
「歩かない」ことで起こる悪循環
歩くとつらいからと歩くのを避けると、脚の筋力と心肺機能が低下し、さらに歩けなくなります。歩かない生活は、転倒のリスクや生活の自立にも影響します。
脊柱管狭窄症と付き合うためには、「症状が出ない範囲で、歩く総量を保つ」ことが大切です。
歩ける距離を伸ばすための工夫
休みながら歩く
症状が出る少し前に立ち止まり、前かがみやしゃがむ姿勢で休んでから、また歩きます。これを繰り返すことで、一日の歩く総量を保ちやすくなります。ベンチや壁など、途中で休める場所を把握しておくと安心です。
杖・シルバーカー・カートを活用する
前かがみの姿勢を保てるシルバーカーや買い物カートは、脊柱管狭窄症の方が歩きやすい道具です。杖も腰の反りを減らし、歩行を助けます。「まだ杖は早い」と我慢するより、活動量を保つことを優先しましょう。
自転車を活用する
前かがみで乗れる自転車は、腰を反らせずに移動できるため、脊柱管狭窄症の方に向いています。ただし転倒には注意し、無理のない範囲で。
腰を反らせない歩き方
大股で歩くと腰が反りやすくなります。歩幅を少し小さめにし、お腹を軽く引き締めて、骨盤を立てた姿勢を意識すると、腰の反りを減らせます。
股関節の前側と背中をやわらかく保つ
股関節の前側が硬いと、歩くときに脚を後ろに振れず、その分を腰の反りで補うことになります。背中が硬い場合も同様です。これらの柔軟性を保つことは、腰を反らせずに歩くために欠かせません。詳しくは歩くと腰が痛くなるときに考えられることもご覧ください。
医療機関で確認すべき変化
歩ける身体を保つための施術
清水接骨院では、脊柱管狭窄症の方に対して、腰を反らせる原因になっている股関節の前側の硬さや背中の動きの少なさを確認し、それらの動きを引き出すことで、腰を反らせずに歩ける身体のバランスを整える施術を行っています。ふくらはぎの血流を促し、脚の重だるさの軽減も目指します。
医療機関での経過観察と並行して進めることをお勧めしています。詳しくは脊柱管狭窄症のページをご覧ください。
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の症状の診断や治療効果を保証するものではありません。症状が強い場合や長く続く場合、しびれや筋力低下、排尿・排便の異常などがある場合は、医療機関を受診してください。
この記事に関連する症状ページ
関連するコラム
コラム一覧
脊柱管狭窄症脊柱管狭窄症とは?歩くとつらくなる腰の病気の仕組みと付き合い方
腰部脊柱管狭窄症の仕組み、代表的な症状である間欠性跛行、なぜ前かがみで楽になるのか、保存療法と手術の考え方、緊急受診が必要なサイン、歩ける距離を保つための考え方を、足立区扇の清水接骨院の院長(柔道整復師)が一般の方向けに解説します。
脊柱管狭窄症間欠性跛行とは?歩くと脚がつらくなり休むと楽になる症状の2つの原因
歩くと脚が痛くなり、休むとまた歩ける「間欠性跛行」。腰の神経が原因の場合(脊柱管狭窄症)と、脚の血管が原因の場合(閉塞性動脈硬化症)があり、対応が全く異なります。見分けの目安と受診の重要性を、足立区扇の清水接骨院の院長(柔道整復師)が解説します。
腰痛歩くと腰が痛くなるときに考えられること|休むと楽になる場合の注意点
歩いていると腰やお尻、脚が痛くなり、休むと楽になる。そんな症状で考えられる脊柱管狭窄症・股関節や足元の問題・筋肉の硬さなどを、足立区扇の清水接骨院の院長(柔道整復師)が解説。血管の病気との見分けの目安や、歩き続けるための工夫も紹介します。
腰痛高齢者に多い腰の悩み|「年のせい」で片付けないために知っておきたいこと
脊柱管狭窄症、圧迫骨折、変性すべり症、筋力低下による腰痛など、高齢の方に多い腰の悩みの特徴と、注意が必要なサイン、歩ける身体を保つための考え方を、足立区扇の清水接骨院の院長(柔道整復師)が解説します。90代の方も来院される当院の視点から。


