肩が上がらない原因とは|五十肩・腱板断裂・石灰沈着の違い
肩が上がらない原因として考えられる四十肩・五十肩、腱板断裂、石灰沈着性腱板炎の違いを、痛みの出方やきっかけから足立区扇の清水接骨院が解説します。受診の目安もご紹介します。
監修:清水接骨院 院長 清水 正尊(柔道整復師)

この記事の要点
- 肩が上がらない背景には五十肩・腱板断裂・石灰沈着性腱板炎など複数の可能性が考えられます
- 痛みの始まり方や、自分で腕を上げられるかどうかが手がかりの一つとされています
- 見分けにはレントゲンやMRIなど医療機関での画像検査が必要と考えられています
- 転倒後や急な激痛、力が入らない場合は早めに医療機関で確認することが大切です
「気づいたら腕が肩より上に上がらない」「棚の物を取ろうとすると肩に痛みが走る」。そんなご相談を、足立区扇の当院でもよくお聞きします。髪を結ぶ、上着の袖を通す、背中に手を回すといった何気ない動作ができなくなると、生活全体が不便になります。
肩が上がらない状態は、多くの方が「五十肩だろう」と考えがちです。しかし実際には、肩の中で起きていることは一つではありません。腱(けん)が切れている場合もあれば、石灰がたまって強い炎症が起きている場合もあると考えられています。
それぞれで経過の見通しや、気をつけたい点が変わってきます。ここでは代表的な3つについて、痛みの出方やきっかけの違いを整理してご紹介します。ご自身の状態を振り返る手がかりにしていただければ幸いです。
「肩が上がらない」にも種類があります
肩の動きは、腕の骨と肩甲骨をつなぐ関節だけで作られているわけではありません。肩甲骨そのものの動き、背骨の姿勢、胸まわりの柔らかさなども関わっています。この連動を運動連鎖と呼びます。
肩が上がらないとき、まず振り返りたいのが次の点です。
- 痛みのために上げられないのか、力が入らずに上がらないのか
- 反対の手で支えれば上がるのか、支えても上がらないのか
- いつから始まったのか、きっかけとなる出来事があったか
- 夜、寝ているときに痛むかどうか
これらは状態を考えるうえでの手がかりになるとされています。単なる肩こりの延長なのか、肩関節そのものの問題なのかを分けて考えることが大切です。肩や首の張りが続いている方は、肩こり・首の痛みとスマホ・デスクワーク|頭の位置が変える負担もあわせてご覧ください。
四十肩・五十肩が考えられる場合
正式には肩関節周囲炎と呼ばれます。はっきりしたきっかけがなく、少しずつ痛みが出てくることが多いとされています。40代から60代に多く見られます。
特徴として挙げられるのは次のような点です。
- 1痛みが強い時期を過ぎると、今度は動きの固さが目立ってくる
- 2自分で上げようとしても、反対の手で支えても、同じくらいまでしか上がらない
- 3夜間に痛みで目が覚めることがある
- 4背中に手を回す動作や、横に腕を開く動作がつらくなる
関節を包む袋(関節包)が硬くなることで、動きの範囲そのものが狭くなると考えられています。時期によって向き合い方が変わるため、五十肩は動かす?休める?|四十肩・五十肩の3つの時期と夜間痛の対処もご参考ください。
腱板断裂が考えられる場合
腱板は、肩の深い位置にある4つの筋肉の腱のまとまりです。腕を持ち上げたり、肩を安定させたりする役割を担っています。
この腱が切れたり傷んだりすると、次のような出方をすることがあるとされています。
- 転んで手をついた、重い物を持ち上げたなど、きっかけがはっきりしていることがある
- 自分では腕が上がらないのに、反対の手で支えると上がる
- 上げた腕を下ろす途中で、ストンと落ちてしまう
- 痛みよりも「力が入らない」という感覚が目立つ
加齢に伴って、強い外傷がなくても腱が傷んでいく場合もあると考えられています。五十肩と思い込んで動かし続けた結果、状態が長引くこともあるため、注意が必要です。
石灰沈着性腱板炎が考えられる場合
腱板の中にカルシウムの結晶(石灰)がたまり、強い炎症を起こすものです。もっとも分かりやすい特徴は、痛みの始まり方の急激さだとされています。
- 前日まで何ともなかったのに、夜中に突然激しい痛みで目が覚める
- 腕をわずかに動かすことすらできないほど痛む
- 肩から腕にかけて熱っぽさや腫れを感じることがある
- 数日から1〜2週間で、痛みの山が落ち着いてくることがある
痛みの強さが際立つため、不安になる方が多い状態です。レントゲンで石灰の影が確認できることがあるとされ、医療機関での対応が中心になります。
見分けには画像検査が必要です
ここまで違いを挙げましたが、症状だけで区別することは難しいとされています。五十肩と腱板断裂が重なっている場合もありますし、石灰が原因で動かせなくなっている場合もあります。
確認のためには、レントゲン、超音波(エコー)、MRIといった画像検査が役立つと考えられています。これらは整形外科などの医療機関で受けるものです。接骨院では画像検査や診断は行えません。
まずは医療機関で肩の状態を確認していただき、そのうえで日常生活の負担を見直していく、という順序が安心です。
日常生活で気をつけたいこと
痛みが強い時期は、無理に腕を上げる体操を続けないほうがよいとされています。痛みをこらえて動かすことで、炎症が長引くことも考えられます。
一方で、まったく動かさない状態が続くと、肩まわりが固まりやすくなります。痛くない範囲で、肘を曲げ伸ばししたり、肩甲骨をゆっくり回したりする程度の動きは保ちたいところです。
- 寝るときは、痛む側の肩の下にタオルを入れて支える
- 高い場所の物は、あらかじめ低い位置に移しておく
- 洗髪や着替えは、痛くない側から始める
- 冷えを感じるときは、入浴で肩まわりを温める
背中が丸くなる姿勢が続くと、腕を上げる動作そのものがしにくくなるとも言われています。猫背と肩こりの関係|背中を丸める習慣が首・肩に与える負担とセルフケアも参考になさってください。
清水接骨院での考え方
当院では、肩だけを見るのではなく、背骨の姿勢、肩甲骨の動き、胸まわりの硬さ、さらには足元の荷重まで含めて身体の状態を確認します。腕が上がりにくい背景に、肩以外の動きにくさが関わっていることも少なくないためです。
施術は、強く押したり無理に身体を鳴らしたりしないソフトな手技を用い、肩に負担が集まる理由に働きかけることを目指します。施術はすべて院長が担当し、その日の状態に合わせてセルフケアや生活動作の工夫もお伝えします。感じ方や経過には個人差があります。
また、医療機関での確認が必要と判断した場合には、施術を行わず受診をおすすめしています。画像検査が必要な状態を見逃さないことを大切にしています。
日暮里・舎人ライナー高野駅から徒歩5分、扇大橋駅から徒歩6分の場所にあり、完全予約制です。肩の動きや痛みでお困りの方は、四十肩・五十肩のページや肩こりのページもあわせてご覧ください。
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の症状の診断や治療効果を保証するものではありません。症状が強い場合や長く続く場合、しびれや筋力低下、排尿・排便の異常などがある場合は、医療機関を受診してください。
この記事に関連する症状ページ
関連するコラム
コラム一覧
肩・首五十肩は動かす?休める?|四十肩・五十肩の3つの時期と夜間痛の対処
四十肩・五十肩は、炎症期・拘縮期・回復期で対応の考え方が変わるとされています。動かした方がよい時期と休めたい時期の目安、夜間痛のときの寝方、受診を考えた…
肩・首肩こり・首の痛みとスマホ・デスクワーク|頭の位置が変える負担
スマートフォンやパソコンで頭が前に出ると、首と肩の筋肉にかかる負担は何倍にもなります。
姿勢猫背と肩こりの関係|背中を丸める習慣が首・肩に与える負担とセルフケア
猫背と肩こりの関係を、胸椎の丸まり・肩甲骨の開き・頭の前方移動という連鎖から解説します。胸を開く習慣や骨盤を立てる座り方、受診の目安もご紹介。足立区扇の…
肩・首寝違えたときの対処|やってはいけないことと枕の見直し・受診の目安
朝起きて首が回らない寝違え。無理に回す、強くもむなどやってはいけない対処と、冷やす・温めるの考え方、枕の高さの見直し方、腕のしびれや発熱があるときの受診…
参考情報
このページの一般的な説明は、公的機関・学会が公開している次の情報を参考にしています。症状の判断や診断については、医療機関にご相談ください。
- 五十肩(肩関節周囲炎)/ 公益社団法人 日本整形外科学会「症状・病気をしらべる」
- 肩腱板断裂/ 公益社団法人 日本整形外科学会「症状・病気をしらべる」
- 頸椎症性脊髄症/ 公益社団法人 日本整形外科学会「症状・病気をしらべる」
最終確認日:2026年8月31日
