階段の上り下りで膝が痛むとき|下りで痛む理由と負担を減らす歩き方
階段、特に下りで膝が痛むのはなぜか。膝にかかる負担の仕組み、太ももの筋力と股関節・足元の関係、手すりの使い方や一段ずつ下りる方法などの工夫、受診が必要なサインを、足立区扇の清水接骨院の院長(柔道整復師)が解説します。
監修:清水接骨院 院長 清水 正尊(柔道整復師)

この記事の要点
- 階段の下りは、太ももの筋肉がブレーキをかけながら体重を受け止めるため膝への負担が大きい
- 膝の痛みの背景には、太ももの筋力低下、股関節の硬さ、足元の荷重の偏りが重なっていることが多い
- 手すりを使う、痛いほうの脚から下りる、膝とつま先の向きをそろえるなどの工夫で負担を減らせる
「上りより下りがつらい」のはなぜ?
膝の痛みで来院される方の多くが、「階段の上りは何とかなるけれど、下りが怖い」と話されます。駅の階段や自宅の階段で、手すりにつかまって一段ずつ下りている方も少なくありません。
なぜ下りのほうがつらいのでしょうか。それには、階段を下りるときの膝の使われ方が関係しています。
階段で膝にかかる負担
階段を下りるとき、下の段に足をつく瞬間、上に残った脚の膝は曲がりながら体重を支えています。このとき太ももの前側の筋肉は、伸ばされながらブレーキをかけるという、筋肉にとって最も負担の大きい働き方をしています。膝関節には体重の数倍の力がかかるとされ、軟骨や膝のお皿のまわりに負担が集中します。
上りでは、太ももの筋肉が縮みながら身体を持ち上げるため、筋肉には負担がかかりますが、関節への衝撃は下りより小さくなります。
膝の痛みの背景にあるもの
太ももの筋力低下
膝を守るクッションの役割を果たす太ももの筋肉(大腿四頭筋)が弱ると、階段で膝関節に直接負担がかかります。年齢とともに、また膝の痛みで動かなくなることで筋力は低下し、さらに膝が痛むという悪循環に入りやすくなります。
股関節の硬さ・お尻の筋力低下
階段では、膝だけでなく股関節も大きく動きます。股関節が硬い、お尻の筋肉が弱いと、その分を膝が肩代わりし、膝への負担が増えます。
足元の荷重の偏り
外側に体重をかけて歩く癖や、足のアーチの崩れ(扁平足など)があると、階段で膝が内側や外側にぶれ、膝の一部に負担が集中します。
変形性膝関節症
軟骨がすり減っている場合、階段の下りは症状が出やすい代表的な動作です。詳しくは変形性膝関節症のページをご覧ください。
階段での負担を減らす工夫
- 手すりを使う:手すりに体重の一部を預けるだけで、膝への負担は減ります。「まだ手すりは早い」と我慢せず、痛みがあるときは積極的に使いましょう。
- 下りは痛いほうの脚から:下りるときは痛いほうの脚を先に下ろし、痛くないほうの脚で体重を支えます。上りは痛くないほうの脚から上がります。
- 一段ずつ両足をそろえる:痛みが強いときは、一段ごとに両足をそろえて下りると負担が減ります。
- 膝とつま先の向きをそろえる:膝が内側に入らないよう、つま先と膝が同じ方向を向くように意識します。
- 身体を少し前に傾ける:上体を垂直に保ったまま下りると膝への負担が増えます。少し前傾し、お尻と太ももの後ろを使う意識を持ちます。
- 靴を見直す:かかとが安定した靴を選び、すり減った靴は替えます。
日常でできること
- 椅子に座って膝をゆっくり伸ばし、5秒止めて下ろす運動で太ももの筋力を保つ
- 太ももの前側と裏側、ふくらはぎをやさしく伸ばす
- 膝を冷やさない(入浴で温める、ひざ掛けを使う)
- 体重管理(体重の増加は膝の負担を直接増やします)
- 正座や床からの立ち上がりを減らし、椅子の生活に切り替える
受診が必要なサイン
膝の痛みへの清水接骨院の考え方
清水接骨院では、膝を「股関節と足首の間で負担を受け止めている関節」として捉え、太ももやふくらはぎ、股関節まわりの筋肉の緊張をやさしくゆるめ、骨盤・股関節・足元とのバランスを整えることで、膝への負担の偏りを減らすことを目指します。必要に応じて足の測定も行い、足元からの負担を確認します。
詳しくは膝の痛みのページをご覧ください。
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の症状の診断や治療効果を保証するものではありません。症状が強い場合や長く続く場合、しびれや筋力低下、排尿・排便の異常などがある場合は、医療機関を受診してください。
この記事に関連する症状ページ
関連するコラム
コラム一覧
腰痛歩くと腰が痛くなるときに考えられること|休むと楽になる場合の注意点
歩いていると腰やお尻、脚が痛くなり、休むと楽になる。そんな症状で考えられる脊柱管狭窄症・股関節や足元の問題・筋肉の硬さなどを、足立区扇の清水接骨院の院長(柔道整復師)が解説。血管の病気との見分けの目安や、歩き続けるための工夫も紹介します。
腰痛高齢者に多い腰の悩み|「年のせい」で片付けないために知っておきたいこと
脊柱管狭窄症、圧迫骨折、変性すべり症、筋力低下による腰痛など、高齢の方に多い腰の悩みの特徴と、注意が必要なサイン、歩ける身体を保つための考え方を、足立区扇の清水接骨院の院長(柔道整復師)が解説します。90代の方も来院される当院の視点から。
身体の仕組み背骨と骨盤のしくみ|腰に負担が集まる理由を「身体のつながり」から理解する
背骨のS字カーブ、骨盤の傾き、股関節と胸椎の役割、「腰は動きすぎてはいけない場所」という考え方。腰痛・坐骨神経痛・肩こり・膝の痛みを身体全体のつながりから理解するための基礎知識を、足立区扇の清水接骨院の院長(柔道整復師)が解説します。
姿勢腰痛と姿勢の関係|反り腰・猫背・骨盤の傾きが腰に与える影響
反り腰・猫背・骨盤の前傾後傾・片足重心など、姿勢の癖が腰痛にどう関わるのか。「正しい姿勢」を頑張るより大切な考え方と、日常で見直したいポイントを、足立区扇の清水接骨院の院長(柔道整復師)が解説します。


