太ももの裏の肉離れ|受傷直後の対応と復帰までの段階的な回復の進め方
太ももの裏の肉離れは、ダッシュや急な切り返しで起こりやすいけがです。受傷直後のRICE処置、無理に伸ばさない理由、段階的な復帰の進め方、再発を防ぐ柔軟性とウォームアップ、医療機関を受診する目安を、足立区扇の清水接骨院がわかりやすくお伝えします。
監修:清水接骨院 院長 清水 正尊(柔道整復師)

この記事の要点
- 太ももの裏の肉離れは、ハムストリングスが急に引き伸ばされて起こると考えられています
- 受傷直後は安静・冷却・圧迫・挙上という「RICE」の考え方が広く知られています
- 急性期に無理に伸ばすと、損傷部位に負担がかかりやすいとされています
- 歩行が難しい、大きな腫れや凹みがある場合は、まず医療機関での確認をおすすめします
急にダッシュをした瞬間、太ももの裏に「ブチッ」とした感覚が走る。サッカーや陸上、久しぶりの運動会などで、そうした経験をされた方は少なくありません。
太ももの裏には、ハムストリングスと呼ばれる筋肉があります。歩く、走る、蹴るといった動きで大きな力を出す筋肉です。それだけに、負担が集まりやすい場所とも考えられています。
肉離れは、その場はなんとか歩けてしまうことも多いものです。そのため「たいしたことはない」と考え、早々に運動を再開してしまう方もいます。しかし途中で無理をすると、同じ場所を再びいためやすいとされています。ここでは、受傷直後の対応から復帰までの流れを、順を追って整理します。
太ももの裏の肉離れとは
肉離れは、筋肉そのものや、筋肉と腱のつなぎ目が急に引き伸ばされて損傷した状態と考えられています。腱とは、筋肉と骨をつなぐひも状の組織のことです。
次のようなサインがみられることがあります。
- 走っている途中で急に力が入らなくなった
- 「ブチッ」「ピキッ」という音や感覚があった
- 太ももの裏を押すと強く痛む
- 前かがみになると太ももの裏が強く突っ張る
- 数日たってから、内出血の色が広がってきた
損傷の程度はさまざまです。ごく軽いものから、筋肉が大きく傷ついているものまであります。程度によって、復帰までの期間も変わってきます。自己判断はせず、身体の状態を確認してもらうことが大切です。
受傷直後にできること
受傷直後は、「RICE」と呼ばれる考え方が広く知られています。次の4つの頭文字です。
- 1Rest(安静)走る、蹴るなどをやめ、患部を休めます。
- 2Icing(冷却)袋に入れた氷で15分ほど冷やします。
- 3Compression(圧迫)包帯などで軽く圧迫します。
- 4Elevation(挙上)横になり、脚を心臓より高くします。
冷やすときは、凍傷を避けるため氷を直接肌に当てないようにします。感覚が鈍くなってきたら、いったん外して様子をみます。
一方で、受傷直後の入浴での温めや飲酒、強くもむ行為は、腫れや内出血を強めることがあるとされています。まずは落ち着かせることを優先すると考えられています。
無理に伸ばさないほうがよい理由
突っ張る感じがあると、つい伸ばしたくなるものです。しかし損傷したばかりの筋肉を強く伸ばすと、傷ついた部分にさらに負担がかかると考えられています。
「早く伸ばしたほうが回復が早い」というイメージをお持ちの方もいます。ただ、痛みが強い時期の強いストレッチは控えたほうが無難とされています。伸ばす動きは、痛みの様子をみながら、少しずつ範囲を広げていく形が現実的です。
また、痛みをかばった歩き方が続くと、お尻や腰にも負担が集まりやすくなります。お尻の奥の痛みについては、坐骨神経痛でお尻が痛む理由|お尻の奥の筋肉と神経の関係も参考にしてみてください。
段階的に復帰を進める考え方
復帰は、段階を追って進めることがすすめられます。おおまかには次の流れです。
- 1安静を中心にする時期。腫れや強い痛みを落ち着かせます。
- 2日常動作を戻す時期。普通に歩けることを目安にします。
- 3運動に近づける時期。軽いジョギングから始めます。
- 4競技に戻る時期。ダッシュや切り返しを段階的に加えます。
次の段階へ進む目安として、次の点を確認すると分かりやすくなります。
- 押しても強い痛みが出ない
- 左右差を感じずに歩ける
- 軽く力を入れても痛みが出ない
- ゆっくりのジョギングで違和感が出ない
共通するのは、痛みが出る手前で止めることです。段階を飛ばした復帰は、再発につながりやすいと考えられています。同じ考え方は足首のけがにも当てはまります。足首の捻挫がクセになる理由|再発を防ぐ回復期の過ごし方とセルフケアもあわせてご覧ください。
再発を防ぐ柔軟性とウォームアップ
復帰後にまず見直したいのが、運動前の準備です。
- 軽い早歩きや、その場でのももあげを5分から10分行う
- 動きながら関節を大きく使う準備運動を取り入れる
- 寒い時期は、いつもより時間をかけて身体を温める
- 疲れがたまっている日は、強度を下げる
肉離れは、疲労がたまった状態や、練習の終盤に起こりやすいとも言われています。
さらに、骨盤の傾きや体幹の使い方も関係すると考えられています。骨盤が後ろに倒れた姿勢では、太ももの裏が常に引っ張られやすくなります。身体の土台については、背骨と骨盤のしくみ|腰に負担が集まる理由を知るで解説しています。足元の荷重の偏りも、走り方に影響することがあります。
こんなときは医療機関で確認を
骨や腱の損傷が隠れていることもあります。画像による確認が必要な場合は、医療機関での対応が優先されます。
清水接骨院での考え方
清水接骨院は、足立区扇にある完全予約制の接骨院です。日暮里・舎人ライナー高野駅から徒歩5分、扇大橋駅から徒歩6分の場所にあります。
施術はすべて院長の清水正尊が担当します。国家資格である柔道整復師として、施術歴は30年以上、累計10万件を超える経験があります。
太ももの裏の痛みでは、痛む場所だけを見るのではなく、身体全体を確認します。姿勢、関節の動き、筋肉の緊張、そして足元の荷重のかかり方まで含めて、負担が集まっている理由を探ります。強く押したり、無理に身体を鳴らしたりしないソフトな手技で、身体の使い方が整うことを目指します。
施術後には、時期に合わせたセルフケアや生活習慣のアドバイスもお伝えします。ご希望があれば、足の測定(フットプリント)とインソールのご相談も可能です。なお、医療機関での確認が必要と考えられる状態のときは、施術を行わず受診をおすすめしています。効果には個人差があります。
詳しくは捻挫・打撲・肉離れのページとスポーツによる痛みのページもご覧ください。
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の症状の診断や治療効果を保証するものではありません。症状が強い場合や長く続く場合、しびれや筋力低下、排尿・排便の異常などがある場合は、医療機関を受診してください。


