介護で腰を痛めないために|移乗・入浴介助の腰痛予防と身体の使い方
足立区扇の清水接骨院が、介護の現場で腰痛を予防する身体の使い方を解説します。移乗・おむつ交換・入浴介助での姿勢の工夫、道具の活用、ぎっくり腰を繰り返す方のセルフケアの考え方をご紹介します。高野駅から徒歩5分の院より、日々の介護で腰を守るヒントをお伝えします。
監修:清水接骨院 院長 清水 正尊(柔道整復師)

この記事の要点
- 介護動作では前かがみと中腰が重なり、腰に負担が集まりやすいと考えられています
- 相手に近づく・膝を使う・腰をひねらないという基本が、腰痛予防の土台になります
- 移乗やおむつ交換は道具とベッドの高さ調整で負担を減らす工夫が大切とされています
- ぎっくり腰を繰り返す方は、痛む場所だけでなく身体全体の使い方の確認をおすすめします
ご家族の介護やお仕事での介助を続けるなかで、腰の重さや痛みを感じている方は少なくありません。「またやってしまった」と、ぎっくり腰を繰り返している方もいらっしゃいます。
介護の動作は、思っている以上に腰へ負担がかかりやすいものです。ベッドからの移乗、おむつ交換、入浴介助など、前かがみの姿勢が一日に何度も続きます。しかも相手の身体を支えながらですので、自分の姿勢に気を配る余裕がないことも多いでしょう。
この記事では、介護の場面で腰を守るための身体の使い方を整理してお伝えします。足立区扇の清水接骨院にも、介護に携わる方から腰のご相談をいただくことがあります。毎日の動作を少し見直すだけでも、腰にかかる負担は変わってくると考えられています。
介護の動作で腰に負担が集まる理由
腰は、上半身の重さを支える場所です。まっすぐ立っているときに比べ、前かがみになると腰にかかる力は大きくなるとされています。
介護では、この前かがみに次のような要素が重なります。
- 相手の体重という「荷物」を支える
- ベッドや床など、低い位置で作業する
- 身体をひねりながら持ち上げる
- 同じ動作を一日に何度も繰り返す
とくに 前かがみ+ひねり の組み合わせは、腰に負担が集中しやすい形と言われています。ベッドから車いすへ移すとき、足の向きを変えずに上半身だけをひねっていないか、思い返してみてください。
背骨と骨盤のしくみについては、背骨と骨盤のしくみ|腰に負担が集まる理由を知るでも解説しています。
ボディメカニクスの基本|腰を守る身体の使い方
ボディメカニクスとは、身体の構造や力の働きを踏まえた動作の考え方です。介護の現場で広く用いられています。腰痛の予防には、次の点が大切とされています。
- 1相手に近づく。腕を伸ばして支えると腰の負担が増えます。身体を寄せてから動かします。
- 2腰を丸めない。背中を丸めて持ち上げるのではなく、股関節と膝を曲げて腰を落とします。
- 3足を前後または左右に開く。支える面が広がり、身体が安定します。
- 4ひねらない。向きを変えるときは足を踏みかえます。上半身だけを回さないようにします。
- 5持ち上げず、滑らせる・転がす。水平に移動させるほうが、力が少なくてすみます。
- 6相手の身体を小さくまとめる。腕を組み、膝を立てていただくと動かしやすくなります。
すべてを一度に意識するのは大変です。まずは「近づく」と「ひねらない」の2つから始めてみてはいかがでしょうか。
場面別の工夫|移乗・おむつ交換・入浴介助
移乗(ベッドから車いすへ)
車いすはベッドに対して斜めに置き、移動する距離を短くします。相手の膝を自分の膝で軽く支えると安定しやすくなります。持ち上げるのではなく、お尻を浮かせて回すイメージを持ちます。
おむつ交換
ベッドが低いまま作業すると、深い前かがみが続きます。可能であればベッドの高さを上げ、自分の腰あたりに合わせます。高さが変えられない場合は、片膝をベッドや床につくと腰が丸まりにくくなります。
入浴介助
浴室は狭く、床が滑りやすい場所です。中腰の姿勢が長く続きやすく、腰には負担のかかる環境です。シャワーチェアや浴槽用の手すり、バスボードなどを使い、しゃがむ回数を減らす工夫が役立つと考えられています。自分も低い椅子に座って介助すると、前かがみが浅くなります。
道具を活用するという考え方
「道具に頼るのは申し訳ない」と感じる方もいらっしゃいます。しかし介助する側が腰を痛めてしまうと、介護そのものが続けられなくなります。道具の活用は、お互いのための選択です。
- スライディングシート(滑らせて移動させる布)
- スライディングボード(座ったまま移乗する板)
- 介助用ベルト
- 高さ調整ができる電動ベッド
- 手すり、シャワーチェア
福祉用具はレンタルできる場合もあります。ケアマネジャーなど、担当の方に相談してみてください。
ぎっくり腰を繰り返す方が見直したいこと
介護をされている方から「年に何度もぎっくり腰になる」というお話を伺うことがあります。繰り返す背景には、日々の動作の癖や、疲労が抜けきらないまま次の負担が重なることがあると考えられています。
痛みが出ていないときこそ、身体の使い方を見直す機会です。腰だけでなく、股関節の動き、太ももの裏の硬さ、足元の荷重のかかり方も関わってきます。股関節がしっかり曲がれば、腰を丸めずに低い位置の作業ができます。
悪化させやすい習慣については腰痛でやってはいけないこと|悪化させやすい7つの習慣を、痛みが出た直後の対応はぎっくり腰になった直後の注意点|冷やす?温める?動く?安静?をご覧ください。
介護の合間にできるセルフケア
長い時間をかけなくても、こまめに身体をリセットすることが大切と考えられています。
- 前かがみの作業が続いたら、一度立ち上がって軽く胸を張る
- 椅子に座り、片脚ずつ膝を抱えて腰の後ろを伸ばす
- 立った姿勢で、片足を一歩引いてふくらはぎを伸ばす
- お尻の筋肉をゆっくり伸ばす(椅子に座り、片足首を反対の膝にのせる)
いずれも痛みが出る手前で止めます。反動はつけず、呼吸を止めないようにします。
睡眠も回復に関わります。寝る姿勢や寝具については腰痛と睡眠姿勢|腰に楽な寝方と寝具の選び方も参考にしてみてください。
清水接骨院での考え方
当院では、痛みのある場所だけでなく、姿勢、関節の動き、筋肉の緊張、足元の荷重のかかり方を含めて身体の状態を確認します。介護に携わる方の場合、動作の癖が腰に負担を集めていることも少なくありません。
施術は、強く押したり無理に身体を鳴らしたりしないソフトな手技で行います。筋膜や筋肉、骨盤のバランス、身体全体のつながりを踏まえ、負担が集まる理由に働きかけることを目指します。施術後には、ご自宅や介護の場面で続けやすいセルフケアと生活の工夫をお伝えします。ご希望があれば、足の測定(フットプリント)とインソールのご相談も可能です。感じ方には個人差があります。
医療機関での確認が必要と判断した状態のときは、施術を行わず受診をおすすめしています。
施術はすべて院長が担当し、完全予約制です。日暮里・舎人ライナーの高野駅から徒歩5分、扇大橋駅から徒歩6分の場所にあります。
詳しくは腰痛のページ、ぎっくり腰のページもあわせてご覧ください。介護を続けるために、ご自身の腰も大切にしていただければと思います。
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の症状の診断や治療効果を保証するものではありません。症状が強い場合や長く続く場合、しびれや筋力低下、排尿・排便の異常などがある場合は、医療機関を受診してください。
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参考情報
このページの一般的な説明は、公的機関・学会が公開している次の情報を参考にしています。症状の判断や診断については、医療機関にご相談ください。
- 腰痛/ 公益社団法人 日本整形外科学会「症状・病気をしらべる」
- 腰椎椎間板ヘルニア/ 公益社団法人 日本整形外科学会「症状・病気をしらべる」
- 腰部脊柱管狭窄症/ 公益社団法人 日本整形外科学会「症状・病気をしらべる」
最終確認日:2026年8月31日

