ランニングで膝の外側が痛い|ランナー膝と股関節・足元・フォームの関係
ランニングで膝の外側が痛い方へ。腸脛靭帯炎(ランナー膝)の仕組み、股関節の硬さやお尻の筋力、外側荷重、靴とフォームの見直し方を足立区・扇の清水接骨院がやさしく解説します。
監修:清水接骨院 院長 清水 正尊(柔道整復師)

この記事の要点
- 膝の外側の痛みは腸脛靭帯と骨のこすれが関わると考えられ、走行距離や下り坂で出やすくなります
- 股関節の硬さやお尻の筋力低下、足の外側に体重が乗る癖が、膝の外側の負担を高めることがあります
- 休むと一時的に楽でも走り出すと戻る場合、フォームや靴、練習量の積み重ねを見直すことが大切です
- 強い腫れや熱感、体重をかけられない、しびれを伴う場合は、まず医療機関での確認をおすすめします
「走り始めて数キロで、膝の外側がズキッと痛む」「下り坂に入ると急につらくなる」。ランニングを続けている方から、こうしたお悩みをうかがうことがあります。歩いているときは平気なのに、走ると決まって同じ場所が痛む、という点が特徴です。
数日休むと痛みが落ち着くため、そのまま走り出す方も少なくありません。ところが、また同じ距離で同じ場所が痛くなる。この繰り返しに困っている方は多いようです。痛む場所が膝でも、負担の理由が膝以外にあることも考えられます。
このコラムでは、ランニングで膝の外側が痛むときに考えられる仕組みと、股関節・足元・フォームとのつながりについて、一般の方向けに整理してお伝えします。あくまで一般的な情報であり、状態には個人差があります。
膝の外側が痛むときに多い「腸脛靭帯炎(ランナー膝)」とは
太ももの外側には、腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)という長い帯状の組織があります。骨盤の外側から始まり、太ももの外側を通って、すねの骨の外側につながっています。
ランニングでは、膝の曲げ伸ばしが何千回と繰り返されます。その動きの中で、腸脛靭帯が膝の外側にある骨の出っ張り付近とこすれ合い、炎症のような状態が起こることがあると考えられています。これがいわゆるランナー膝(腸脛靭帯炎)と呼ばれるものです。
特徴として、次のような訴えがよく聞かれます。
- 走り始めてしばらくすると痛み出す
- 下り坂や硬い路面でつらくなる
- 膝を軽く曲げた角度で痛みが強い
- 押すと膝の外側の一点が痛む
なぜ走ると外側だけが痛むのか
膝は、単独で動いているわけではありません。着地のたびに、足首・膝・股関節・骨盤が連動して衝撃を受け止めています。これを運動連鎖と呼びます。
どこか一か所の動きが乏しいと、その分をほかの部位が補います。たとえば股関節がうまく使えないと、膝の外側で身体を支える時間が長くなり、腸脛靭帯にかかる張力が増える可能性があります。
また、片脚立ちになった瞬間に骨盤が横に落ちるような動きが出ると、太ももの外側が強く引っ張られやすくなります。走る動作は片脚立ちの連続ですので、この積み重ねが痛みにつながることがあると考えられています。
股関節の硬さとお尻の筋力の関係
腸脛靭帯は、お尻の外側の筋肉(中殿筋)や太ももの外側の筋肉とつながっています。お尻の外側の筋肉がうまく働かないと、その分を靭帯や太ももの外側の張りで代用しやすくなります。
また、股関節の前側が硬く、脚を後ろに送りにくい状態だと、歩幅を出すために骨盤をひねる動きが増えます。結果として、膝の外側にねじれの力が加わることがあります。
デスクワークが長い方は、股関節の前側が縮こまりやすいとされています。日中の座り方も、走るときの動きに影響することがあります。座り姿勢と身体の負担については、腰痛と姿勢の関係|反り腰・猫背・骨盤の傾きが腰に与える影響もあわせてご覧ください。
足元の使い方と靴の選び方
着地の瞬間、足のどこに体重が乗るかは、膝の向きに影響します。足の外側に体重が乗りやすい方(外側荷重)は、膝が外へ開く力が働き、外側の組織が張りやすくなることがあります。
靴については、次の点を確認してみてください。
- 1靴底の減り方が左右で大きく違っていないか
- 2走行距離が伸び、クッションがへたっていないか
- 3かかとがぐらつくほど緩くないか
- 4足の幅や甲の高さに合っているか
過去の足首の捻挫が、足元の安定に影響していることもあります。足首の捻挫がクセになる理由|再発を防ぐ回復期の過ごし方とセルフケアも参考になるかもしれません。かかとの痛みが同時にある場合は、朝の一歩目にかかとが痛い理由|足底腱膜炎の原因と自宅でできるセルフケアもご覧ください。
フォームと練習量の見直し
痛みが出る前後で、練習内容が変わっていないかを振り返ってみましょう。距離を急に伸ばした、坂道や不整地を増やした、レース前でスピード練習が増えた、といった変化はよくあるきっかけです。
フォームでは、次のような点が負担に関わることがあるとされています。
- 歩幅が大きく、身体の前方に着地している
- 一直線上を走るように、脚が内側に入り込む
- 上半身が左右に大きく揺れる
- 同じ方向の周回コースばかり走っている
階段や坂道でも膝に負担がかかります。下りで痛む理由については、階段の上り下りで膝が痛むとき|下りで痛む理由と負担を減らす歩き方で詳しく触れています。
休んでも戻ってしまう理由
走るのをやめると、こすれる回数が減るため痛みは落ち着くことが多いようです。しかし、股関節の硬さやお尻の筋力、足元の使い方、靴の状態が変わらないままだと、走り出したときに同じ負担が再びかかります。
そのため、休養は大切な一方で、休養だけで再発を防ぎきれない場合があります。痛みが落ち着いてきた時期に、身体の使い方を見直しておくことが、次の一歩につながると考えられています。
自宅でできるセルフケアの考え方
痛みが強い時期は、無理なストレッチや強いマッサージは避けたほうがよい場合があります。まずは走行距離を減らし、痛みの出ない範囲で身体を動かすことを目安にしてみてください。
落ち着いてきたら、太ももの外側だけでなく、お尻・股関節の前側・ふくらはぎなど、周囲をやさしく伸ばすことが役立つとされています。片脚立ちで骨盤が傾かないように保つ練習も、動きの安定を目指すうえで参考になります。効果や必要な内容には個人差がありますので、痛みが出る動きは行わないでください。
清水接骨院での考え方
清水接骨院(足立区扇、日暮里・舎人ライナー高野駅から徒歩5分、扇大橋駅から徒歩6分)では、膝の外側の痛みについて、痛む場所だけを見るのではなく、身体全体の状態確認を大切にしています。
姿勢、股関節や足首の動き、筋肉の緊張、そして足元の荷重のかかり方を確認し、なぜその場所に負担が集まるのかを一緒に整理していきます。施術は、強く押したり無理に身体を鳴らしたりしないソフトな手技を用い、筋膜や筋肉、骨格・骨盤のバランス、運動連鎖の考え方をもとに、負担の少ない身体の使い方を目指します。
ご希望に応じて、足の測定(フットプリント)やインソールのご相談もお受けしています。施術後には、練習量の調整やセルフケアについてもお伝えします。施術はすべて、柔道整復師の国家資格を持つ院長が担当します。完全予約制です。
なお、医療機関での確認が必要と考えられる状態のときは、施術を行わず受診をおすすめしています。効果には個人差があります。
くわしくはスポーツによる痛みのページ、膝の痛みのページもご覧ください。
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の症状の診断や治療効果を保証するものではありません。症状が強い場合や長く続く場合、しびれや筋力低下、排尿・排便の異常などがある場合は、医療機関を受診してください。
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参考情報
このページの一般的な説明は、公的機関・学会が公開している次の情報を参考にしています。症状の判断や診断については、医療機関にご相談ください。
- 変形性膝関節症/ 公益社団法人 日本整形外科学会「症状・病気をしらべる」
最終確認日:2026年8月31日
